下地処理が外壁塗装を成功させる鍵!トラブル例や手順・相場を解説
- 外壁塗装
外壁の塗装の塗り替えを検討するときに、何よりも重要とされるのが塗装前の下地処理です。
下地処理が適切に行われないと、塗装したにもかかわらず、ひび割れや塗装の剥離が早期に発生する恐れもあります。
本記事では、塗装前の下地処理の重要性や処理を怠った場合のトラブル例、作業手順や費用について解説します。
目次
下地処理は外壁塗装前に行う重要な工程
下地処理は、外壁を塗装するまでに塗装面の状態を整えるために重要な工程です。
下地処理を適切に実施しないと、塗料を塗ってもすぐに剥がれたり、ひび割れやサビが再発したりする恐れもあります。
つまり、下地処理がどれだけ適切にされたかにより、塗装の仕上がりも大きく異なるのです。
適切な下地処理は外壁の防水性と耐久性を高める
下地処理を適切に実施すると、塗装の防水性や耐久性を高める効果が期待できます。
具体的には、外壁に付着しているホコリやカビをはじめとした汚れや、ひび割れなどを補修することを指します。
下地処理の方法は外壁の状態によって異なるので、DIYよりも業者に依頼するのがおすすめです。
下地処理を怠ると発生するトラブル例
下地処理を怠ると発生する主なトラブル例は、次のとおりです。
・ひび割れの再発
・サビの再発
・塗膜の剥離
・塗膜の膨張
どのようなことなのか、詳しく解説します。
ひび割れの再発
外壁のひび割れを補修せずに塗装すると、その部分からひび割れが再発する恐れがあります。
塗装はひび割れの部分には定着できません。
外壁の補強のために塗装しても、元々のひび割れが劣化の原因を招いてしまいます。
ひび割れの再発を防ぐためにも、下地処理の段階でひび割れ補修が必要です。
サビの再発
サビは、少しでも残っていると進行する傾向があります。
サビの再発を防止するには原因を取り除く以外方法がないので、下地処理でサビを落とさなければなりません。
サビは、空気中の水分が金属に触れ、それが酸化することによって発生します。
そのため、外壁だけでなく金属部分にサビが発生していないか確認する必要があるのです。
塗膜の剥離
汚れを十分に落としていない・ひび割れが補修されていないなど、塗装前の処理が十分に行われていないと塗装が剥がれやすくなります。
乾燥時間を守らずに塗装したために塗装が剥がれたケースも見られるので、乾燥時間には十分注意しなければなりません。
塗装の剥離を防止するためには、塗装前に外壁の状態を整える必要があります。
塗膜の膨張
外壁を洗浄後、十分に乾燥させずに塗料を塗ると塗膜の膨張が発生する恐れもあります。
外壁洗浄後、乾燥に必要な時間は24〜48時間程度です。
乾燥時間は季節や時間帯によって異なりますが、余裕のあるスケジュールを立てて下地処理および塗装を実施する必要があります。
外壁塗装前に実施する下地処理の手順
塗装前に実施する下地処理の手順は次のとおりです。
・外壁の洗浄
・ケレン
・コーキング(シーリング)の補修
・ひび割れの修理
・目止め
実際の手順について、詳しく見ていきましょう。
外壁の洗浄
下地処理で最初に行うのが外壁の洗浄です。
高い水圧で外壁の汚れを落としていく、高圧洗浄という工程があります。
また、高圧洗浄でも落とせない酷い汚れに対しては、バイオ系の洗浄剤を使ったバイオ洗浄を実施します。
ケレン
ケレンとは、高圧洗浄でも落としきれない汚れやサビなどを、ヤスリや電動工具を使って除去することを指します。
この作業は、外壁の洗浄の後に行います。
ケレンの目的は、下地を整えることと塗料の定着性を高めることにあり、塗料の耐久性を高めるための重要な工程の一つです。
コーキング(シーリング)の補修
コーキング(シーリング)とは、外壁のパネルやタイルなどの継ぎ目や隙間を埋めるための防水材料のことをいいます。
コーキング(シーリング)剤が劣化すると、雨水が浸水する・塗料が剥がれやすくなるなどのトラブルが発生する恐れがあります。
そのため、劣化が見られる場合はコーキング(シーリング)の補修が必要です。
コーキング(シーリング)の補修には2つの方法があります。
・打ち替え:古いコーキング(シーリング)を除去してから、新しく充填する
・打ち増し:古いコーキング(シーリング)の補修の上から充填する
打ち替え・打ち増しは、コーキング(シーリング)の劣化状況や対象箇所によって使い分けられているので、詳細は業者にお問い合わせください。
ひび割れの修理
外壁のひび割れをそのままにして塗装すると、その部分からひび割れの再発や塗料の剥離が発生することがあるため補修が必要です。
劣化している部分をハンマーで落としたり、電動カッターでU字状にカットしたりした後に、セメントやコーキング剤などで補修します。
また、小さいひび割れに対しては、弾性塗料を刷毛で塗り込むようにして補修します。
目止め
目止めとは、外壁塗装の下塗り前に行う下地塗装のことです。
目止めをすることで、下塗り塗料が過度に素地に吸い込まれ過ぎるのを防止する・塗料が定着しやすくなる効果も期待できます。
特に、塗料を吸い込みやすいリシン壁の場合は、しっかりと目止めする必要があります。
目止めを実施する場合は、外壁塗装は目止め、下塗り、中塗り、上塗りの4工程となるので、余裕を持った施工期間を設けましょう。
下地処理の相場
下地処理の相場を、工程ごとに紹介します。
・外壁の洗浄
・ケレン
・コーキング(シーリング)の補修
・ひび割れの修理
・目止め
記載している金額はあくまで参考価格です。
詳細については、業者に相談するか見積りを取って確認してください。
外壁の洗浄
外壁の洗浄にかかる費用の相場は、次のとおりです。
・高圧洗浄:平方メートルあたり100〜300円
・バイオ洗浄:平方メートルあたり300〜800円
上記の料金には、足場代や養生代といった諸経費は含まれていません。
高所での作業や洗浄のために養生が必要な場合は、別途費用がかかることを考慮しておきましょう。
ケレン
ケレンにかかる費用の相場は、次のとおりです。
・3種ケレン:平方メートルあたり500〜1,500円
・4種ケレン:平方メートルあたり200〜800円
ケレンには1種から4種までの種類がありますが、一般住宅で行われるのは3種または4種ケレンです。
1種および2種ケレンは道路橋やサビの発生状況が深刻な場合に使用されます。
コーキング(シーリング)の補修
コーキング(シーリング)の補修にかかる費用の相場は、次のとおりです。
・打ち替え:平方メートルあたり700〜1,200円
・打ち増し:平方メートルあたり500〜1,000円
打ち替えは、現在のコーキング(シーリング)を除去してから新しく充填するため、そのまま補充する打ち増しよりも費用が高くなります。
ひび割れの修理
ひび割れの修理にかかる費用の相場は、次のとおりです。
・1カ所につき1〜50万
相場に大きな幅がある理由は、ひび割れの状況によって工程が大きく変わり、それに伴い補修費用も変動するからです。
詳細については、業者に確認してください。
目止め
目止めにかかる費用は、使用する材料や施工の過程により異なります。
費用については、業者に問い合わせたり見積りを取ったりして確認してください。
外壁塗装前の下地処理は業者に依頼しよう
外壁を塗り替える前の下地処理は、塗料の定着性や耐久性を高めるために重要な工程です。
下地処理を疎かにすると、ひび割れや塗料の剥離がすぐに発生するリスクがあります。
また、下地処理は外壁の状況により異なるので、業者に依頼するのがおすすめです。
業者に依頼する前に、どのような手順で作業するのか十分に確認しましょう。
費用に関しても業者によって異なるので、複数から見積りを取り、作業工程と費用に納得のいく業者に依頼しましょう。