シーラーとは?外壁塗装や屋根塗装での役割と必要性を解説
- 外壁塗装
外壁塗装検討時には「シーラーとは何だろう?」「どのような役割がある?」「外壁塗装に必要?」という疑問を持つ方は多いかもしれません。
シーラーとは、塗装作業に使用する下塗り用の塗料のことです。
コストや工期を優先しシーラーを省略してしまうと、寿命や見た目に不満が生じ後悔しかねません。
本記事では外壁塗装を検討中の方に向けて、シーラーの概要や重要性を詳しく解説します。
また、シーラーを使うタイミングや用途別のタイプも紹介します。
満足度の高い外壁塗装を実施するためのポイントがわかる内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
シーラーとは何か
外壁塗装に使われるシーラーについて、基礎的な情報を下記の4つに分けて解説します。
・シーラーとは何か
・シーラーの重要性
・シーラーを使用するタイミング
・プライマーやフィラーとの違い
シーラーの基本的な情報を理解し、納得のいく外壁塗装を行いましょう。
シーラーは塗装に使われる下塗り用の塗料のこと
シーラーとは、建物の外壁や屋根を塗装する際に使われる下塗り用塗料のことです。
外壁塗装では、まずベースとなるシーラーを塗り外壁をコーティングします。
シーラーには用途別にタイプがあり、塗装面の素材や傷み具合、上塗り塗料との相性で決定します。
シーラーの重要性
シーラーを使わなかった場合、外壁の素材が塗料を吸い込み色ムラや塗りムラが生じます。
塗料の耐用性が落ちるため想定よりも早く剥がれ落ちる懸念もあります。
塗料の染み込みを防ぎ「厚み」を確保するのもシーラーの重要な役割です。
塗料は決められた厚みを確保してはじめて機能を発揮するため、塗料の働きを損なわないためにもシーラーは必須です。
シーラーは最終的に外から見えなくなりますが、見た目・耐久性において高い満足度を得るためには決して省略できません。
外壁塗装でシーラーを使うタイミング
外壁塗装の工程には、塗料を塗る作業が3回あります。
3回の塗りの作業のうち、1回目に使用される塗料がシーラーです。
外壁塗装の一般的な工程は以下のとおりです。
・高圧洗浄機で外壁の汚れを落とし、ヒビ割れがないか確認し必要に応じて補修
・シーラーで下塗り(1回目の塗り作業)
・上塗り塗料で下地に色付けする(2回目の塗り作業)
・上塗り塗料で修正(3回目の塗り作業)
最初にシーラーを外壁へ塗ることで、上に重ねる塗料が密着します。
シーラーとプライマーやフィラーとの違い
外壁塗装の下地処理に使用される塗料には、シーラーの他に「プライマー」や「フィラー」があります。
プライマーは「prime=はじめ」という意味があり、下塗り材全体を指すのが一般的です。
また、金属のサビ止め塗料としても広く使われています。
フィラーはモルタルのヒビや凹凸の補修に使われ、外壁の表面をなめらかにする塗料です。
シーラーとプライマーは、外壁と上塗り塗料を密着させるという役割は同じです。
一方フィラーは、ヒビや凹凸を補修する機能を持っています。
塗装にシーラーが必要な理由
外壁塗装においてシーラーが必要な理由は主に下記の5つです。
・下地と上塗り塗料をつなぐため
・上塗り塗料が下地へ染み込むのを防止するため
・遮熱や防カビなどの機能を高めるため
・塗料を鮮やかに見せるため
・塗装面の下地を補強するため
シーラーの必要性を理解し、後悔のない外壁塗装を行いましょう。
下地と上塗り塗料をつなぐため
シーラーの大きな役割は、下地(外壁)と上塗り塗料の密着度を高めることです。
3回に分けて行われる塗りのなかで、2回目と3回目に使用する塗料には密着性がありません。
そのため塗料が剥がれ落ちやすくなり、耐用性に不安が生じます。
シーラーを使用すると、下地と上塗り塗料を安定させしっかり密着させることが可能です。
上塗り塗料が下地へ染み込むのを防止するため
シーラーを塗らなかった場合に起こるのが、塗料の外壁素材への染み込みです。
外壁にはモルタルなどの水分が染み込む素材が広く使われており、塗料が染み込むことで色ムラや塗りムラの発生原因になります。
そのため、シーラーを最初に素材に吸収させ外壁をコーティングし、上塗り塗料が下地へ染み込むのを防止しなければなりません。
シーラーは外壁塗装の美しい仕上がりのために必要不可欠です。
遮熱や防カビなどの機能性を高めるため
シーラーには、遮熱や防カビなどの機能が備わったものもあります。
欲しい機能を備えたシーラーを選ぶことで、満足度の高い外壁塗装が可能です。
また、シーラーには下地を固める役割もあります。
下地を固めることで重ね塗りする塗料の厚みを確保し、塗料の性能を損ねず外壁の機能性を高められます。
塗料を鮮やかに見せるため
シーラーでの下地処理は、塗料のカラーを鮮やかにするために重要です。
塗料を直接塗ってしまうと色ムラが生じるため、色鮮やかな仕上がりにはなりません。
理想の外壁の色に仕上げるために、シーラーは必要不可欠です。
塗装面の下地を補強するため
シーラーには劣化した外壁を補強する役割もあります。
小さなヒビ割れや細かな傷にシーラーが入り込むことで、経年劣化が進んだ外壁素材を補強してくれるのです。
外壁を補強し耐用性を維持できれば、住宅そのものを長持ちさせられます。
塗装面の傷み具合等によって適したシーラーが異なるため、業者と相談のうえ住宅に合ったものを選ぶのがおすすめです。
塗装に使用するシーラーのタイプとは
外壁塗装に使用するシーラーには、以下の3つのタイプがあります。
・水性タイプ
・油性タイプ
・機能性タイプ
油性塗料には油性タイプ、水性塗料には水性タイプのシーラーを使用するのが一般的です。
それぞれのタイプと特徴を理解し、シーラー選びに活かしましょう。
水性タイプ
水性タイプのシーラーは、水分が蒸発することで塗膜を作り下塗りの効果を発揮します。
水性タイプは、劣化が少ない外壁に適しています。
なぜなら、劣化が激しい外壁は水分を吸収しやすいためです。
外壁が水分を吸収しすぎると、下塗りの効果が十分に発揮できません。
水性タイプは臭いが少ないことと引火の心配がないため室内塗装にも向いています。
気分が悪くなったり、火災の心配をしたりする不安を低減できるのがメリットです。
油性タイプ
油性タイプは「溶剤シーラー」とも呼ばれ、溶剤が揮発することで塗料の膜を作り下塗りの効果を発揮します。
油性タイプは、浸透性が高くしっかりコーティングできるため、劣化の激しい外壁と相性が良いです。
乾燥時間が短いこともメリットですが、臭いが強く引火の危険性があるため取扱いには十分注意が必要です。
機能性タイプ
シーラーの中には、さまざまな機能性を持たせたタイプもあります。
例えば「ヤニ止めシーラー」は、タバコのヤニや雨ジミを抑える効果があります。
また、浸透性や固着性に優れているのが特長です。
透明タイプとホワイトタイプがあり、外壁や上塗り塗料の色によって選べます。
「カチオンシーラー」は、浸透性と密着性に優れており強固な塗膜を形成するのが特長です。
素材の表面を塗膜で覆う「造膜型」と、素材の内部に塗料を浸透させて強化する「浸透型」があります。
コストパフォーマンスも優れていますが、上塗り塗料に強溶剤型塗料は使えないため注意が必要です。(※強溶剤塗料=強いシンナー系の塗料)
カチオンシーラーもヤニ止めシーラー同様透明タイプとホワイトタイプがあり、ニーズによって選べます。
「コンクリート強化シーラー」は、モルタルやコンクリートの表面を固め塗料の吸い込みを抑える効果が高いものです。
耐用性に優れており粉塵やホコリの発生を予防する効果もあります。
塗装に欠かせない重要なシーラーとは何か知っておこう
本記事では、外壁塗装に欠かせないシーラーについて解説しました。
・シーラーとは、塗装に使われる下塗り用の塗料のこと
・上に重ねる塗料を密着させ、塗装の耐久性を高める役割がある
・塗料の色ムラや塗りムラを防止したり、色を鮮やかに見せる効果もある
シーラーは、耐用性と見た目の美しさの両面において満足度の高い塗装にするために欠かせないものです。
外壁の傷み具合や素材に適しているものを選ぶことが大切ですが、詳しい知識がないと迷ってしまうかもしれません。
どのシーラーが良いかは塗装業者と相談したうえで決定するのがおすすめです。